終わらない恋を、キミと。

いつも見ている番組にチャンネルを合わすと、いつも楽しみにしている占いのコーナーがやっていた。

『今日の5月生まれの人の運勢はーー、

ーー積極的に外へ出ると運命の出逢いがあるでしょう!』

「…へぇー」

思わず声が出てしまった。
そんなわたしは5月5日生まれ。
GW真っ只中、なんとなくな感じで誕生日を迎えたばかりだ。

…積極的に外へ。ねぇ…。

キィッ…!!

自転車のブレーキ音がだいぶ近くで聞こえた。

「…」

運命の、出逢い。

自転車で新聞配達しているのって、苦労人の中学生とかなんだろうか…。

ほんの、興味本意だった。

運命の出逢いとやらを否定したかったのか、それとも僅かでも期待したのか。

ふらりふらりと何か見えないものに導かれるようにわたしは玄関のドアを開けた。

すると、ちょうどわたしの家の前に止まった配達員の自転車。

わたしに気付くなり配達員は固まった。

…配達員をこの眼で見たわたしはもっとカッチカチに固まった。

何故なら、その新聞配達員さん…
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