終わらない恋を、キミと。

わたしは、先月の下旬頃から学校に行けないでいる。

理由は、この不眠症のせいだけじゃない。
去年の今頃から発病したんだけど、自分だけじゃない。家族も一丸となってわたしを支えてくれて苦労して苦労して入れた今の学校だから、出来れば転校したくはない。

けれど、中学とはワケが違うのが高校だ。
留年だってある。公立でも退学だってあるのが高校だ。

だから本来なら、死に物狂いでも通わなきゃいけないのに。それなのにーー…

「…っ」

堪らずぎゅうっと眼を瞑ると、そんなわたしの頭がふわりと暖かくなった。

「…?」

何かなと眼を開くと朔がその大きな手でわたしの頭を優しくポンポンしてくれていた。

「結香ーー」

「朔…」

朔がわたしの耳あたりにソッと整った唇を寄せてこう囁いた。

「…玉子焼き、焦げてる」

「ぎゃぁぁあああっっっ!!!」


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