お見合いは未経験
なんだ、この風向きは…。
果てしなく嫌な予感しかしない。

「お付き合いしている人なんかは…?」
「今はいませんね。」
「いいお話しがあるんだけどね。」

いいお話って何だ?!
日本昔ばなしか?!
恩返しとかするやつか?!

「取引先で、お断り出来なくて。会うだけでいいんだよ。私の顔を立てると思って、何とかお願いできないか!」
頼む!とまで、言われて頭を下げられては、断る訳にもいかない。

「今まで浮いた話ひとつなかったお嬢さんらしいんだ。お年は25だか6だかそんなもんらしい。お相手の家柄は間違いないし、私も君なら間違いないかと思って。カジュアルに会いたいのが、先方の希望なんだ。」
だから、引き合わせはするけど、すぐに失礼するから、とか言っている。

こういうのは昔はよくあったらしいが、今はないと聞いているのに。
しかし、客先では、支社長も断わりづらいところがあるのかもしれない。

26歳の浮いた話がない、って逆に、大丈夫か?
しかし、榊原だって人の事は言えないのだ。
この歳にして、独り者なのには間違いはないのだし。

榊原は軽くため息をついた。

「お会いするだけで良ければ。」
「助かるよー。よろしく!」

ご機嫌な支社長の詳細はメールするから、とか言う言葉を聞いてその場を離れたが、メール?

これは…やはり見合いなんだろうなあ…。
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