お見合いは未経験
でも、上手く組めば、どちらも行けないことはないか、と考え、スケジュールを組み立てる。

18時ころ、休憩室に移動し、そこから真奈に電話をした。

『今週の土曜日、ですか?特に予定はありませんよ。』
「じゃあ、一緒にお出かけしないかな?」
『もちろんです。』
嬉しそうな真奈の声に貴志も幸せな気持ちになる。

ホント、和むな…。
「その日はいろいろ、予定を組みたいんだけど、いいかな?」
『はいっ。すごーく楽しみです。』
「あと、知り合いにバーベキューに誘われているんだけど、大丈夫?」

『はい。もちろんですよ。と、いうか、貴志さんはいいんですか?私が付いていってしまって。』
「うん。お嫁さんを連れておいで、と言われてるから。」
『お嫁さん、ですか…』
電話の向こうの声が少し戸惑っている。

「違うの?」
『違わないんですけど、何だか実感湧かなくて…』

「かな、と思って。土曜日は午前中は君のお父様にお時間をもらってるんだ。今後のことについて、お話ししようと思っているよ。」
『そうなんですか?!』

「うん。後でご自宅に帰られたら、君と話すと言ってたから。あと、軽く食事して、少し買い物に行こうね。バーベキューはその後。真奈、泊まりの用意してきてね。」
『お泊まり、ですか。』
真奈の言葉がそこで止まる。
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