お見合いは未経験
庭に大きく取られたウッドデッキには、六角形のテーブルが設置されており、その周りには様々な椅子が置いてある。

ビーチか、ホテルのプールにでもありそうなデッキチェアやベンチ、キャンプ用の椅子や、オープンカフェで良く見るような椅子まで。

テーブルの真ん中にもオープンカフェを思わせる、白いキャンパス地の大きなパラソルが日差しを遮っていた。

デッキの奥にはバーベキューセットが設置されており、弁護士の早瀬が塊肉《かたまりにく》と格闘している。
デッキの逆側は即席らしきカウンターがあり、そこで飲み物を提供するようにしているようだ。

てか、業務用のビールサーバー?
家にあるのは初めて見たが。
「榊原課長ー!じゃなかった。今は次長ですよね!」
シェイカーを振っていたのが、久藤だ。

久藤も前の支店の同僚だった。とは言え、成嶋、久藤は1課で『チーム成嶋』と呼ばれていた、メンバーの一人だ。

その、久藤に生飲みますか?と聞かれたが…。

「いや、止めとく。このあと車なんで。久しぶり、だな。」
「お久しぶりです!」
「……。パシリか?」

「違いますよ!僕だって、久々にお声掛けて頂いて……まあ、この始末ですけど。僕、学生の時バーテンダーのバイトしてたんです。そしたら、早瀬先生にやれやれ言われて。あの人無茶苦茶、酒強いんですよ。」
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