お見合いは未経験
「大丈夫?真奈。」
「はい。」
真奈がにこっと笑ってくれた。
人見知りではあっても、社交には慣れていると思われた。
そこに安心感がある。

「今日の二組目の新しいメンバーな、オレの前の店の仲間の、榊原とお嫁さんの真奈さん。榊原、税理士の野村先生とか早瀬先生は知ってるよな。
あと、建築士の槙原先生と、司法書士の由比先生。」
成嶋が次々と紹介してゆく。


「で、その横が成田さん。成田さんは奥さんが葵の先輩なんだ。今日、初めて来てくれた。でも、いろいろ聞いたら奥深くて、ヤバい。」

「成田翔馬です。」
すっと立ち上がって、握手を求めて来るところに、こちらも育ちの良さを感じる。

なるほど、奥深い、ね。
どこぞの御曹司かな。
黙っていると、ひんやりとした雰囲気もあるが、顔立ちがとても整っている、という印象。

立ち居振る舞いには、育ちの良さを感じさせるので、間違いはないだろう。成嶋の嗅覚の鋭さは独特なのだ。
    
「妻が、行ってみたいと言うので、僕も遠慮なくお邪魔させてもらったんですけどね。へそくりまで、成嶋さんに暴かれそうな勢いです。」
と苦笑している。

すでに馴染みつつあるようで、いつか、その背景を知りたい。
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