お見合いは未経験
「成田奏です。」
奥さんだ、という葵の先輩は、印象に残るような綺麗なお辞儀と、人への接し方に慣れている感じだ。
サービス業か?やたらに綺麗だが。
葵さんの先輩?

「あ、奏先輩は私の前職の時の先輩なんです。」
取り皿どうぞ、と葵が取り皿と箸を渡す。
「美容部員、だっけ?」
「はい。」

「道理で。お二人共綺麗ですよね。」
思わず、と言った感じの真奈のつぶやきだ。
「真奈さん、ご自身こそ、お美しいんですけど。」
ふふっと奏が笑った。

「女子同士、中でお話ししませんか?外は日焼けしてしまうし。」
真奈が行きたそうな表情だ。
「いいよ。行っておいでよ。」
「はい!」

「指輪、すっごく可愛い!」
「ありがとうございます。実は先程頂いたばかりで…。」
「似合ってますよ。」
奏も、葵も人に気遣いの出来るタイプのようであるので、任せても安心だ。
三人は女子らしく、きゃっきゃしながら中へ入っていった。

「僕もあっちに行きたいです。」
久藤が真顔で言うので、榊原は脳天にチョップを入れておいた。

そうしておいて、男性陣のいるデッキの方に戻ると、なにやら会話が白熱している。
< 67 / 190 >

この作品をシェア

pagetop