お見合いは未経験
「あんま、広さがないのがネックなんだよなー。で、今考えてんのは倉庫、なんですけどね。」
「それ、マンションとかより格段に建築費用が抑えられるな。」

「でしょ?さらにそれを法人化することを考えててー。」
どうやら、外のバーベキュー集団は、土地活用の話をしているようだった。

成嶋の発想の自由さはここにもあるのか、と感心する。

このメンバーならば、成嶋の発想をさらに具体的、かつ現実的に固めていくことが出来るのだろう。
「榊原的にはどう?」成嶋に急に振られる。

おっと……。
資料ありの会議なんかより余程頭を回転させないと、ついていけないな、これは。

「現状あるところがどれくらいで回してる、とか見込み収益のデータがあれば、稟議はあげられそうだな。」
「榊原なら?」

本来、自分の立場での発言は避ける貴志だが、成嶋はそれは許してくれなさそうだ。
『榊原は?』と言う聞き方に、お前の意見を言え、と言われている気がした。

──普段なら、言わないけどな。
貴志は軽く腕を組んで、成嶋を真っ直ぐ見た。
< 68 / 190 >

この作品をシェア

pagetop