お見合いは未経験
「あれは机上の空論。ホントに言うまま出来るんなら、皆、苦労はしないよなぁ。失敗したり、成功したりしないと自分のものにはならないだろ。こっちは実践だからな。」

なるほど。本当に魅力ある人なのは認める。
こういうことを言うから、この人の周りには人が集まるのだろうと思うのだ。



その日の泊まりは、成嶋の家からほど近い、会員制リゾートを予約してあった。

会員制リゾートの良いところは、部屋が広いところと、清潔感だと貴志は思っている。
宿泊客も少ないし、団体客が入ることがないので、落ち着いてゆっくり過ごすには、なかなかいい。

下手に別荘では、管理人がいないと手が行き届かないし、年に数回の利用のために管理人を置くのは、合理的ではない、が貴志の考えだ。

だから、親が別荘を買おうと思う、と相談してきた際は、真っ先に反対した。

親が歳をとったら、誰が管理するのだ。
相続するにしても、自分には不要だ。

だとしたら、同じ金額を他に掛けた方がいい、と探してきたのが、今の会員制リゾートだ。
結果、親も兄も気に入って、使っていると、聞いている。

やはり、案内してもらった部屋はベッドのほか、和室も併設されており、二人では若干持て余すくらいの広さだった。

ソファのあるリビングもあるので、通常のホテルであれば、スイートくらいの感覚だ。
立地は海に近くて、尚かつ少し小高目のところにあり、静かで良い。
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