お見合いは未経験
「やっ…ふ、あ、ぁあんっ…」
は、あっ…と大きく息をつき、真奈は膝が崩れ落ちそうになっていた。

膝裏を掬って、抱き上げるとベッドに向かった。
そっと、ベッドに下ろす。
シュルっと、真奈の浴衣の紐を解いた。

「なんだか、お姫様に不埒なことする、悪役みたいな気分になりそう。」
「え、ご無体な…とか、いうのですか?」
「ご無体!いいね、それ。何か真奈が言うとヤバいな。」

「もう…」
真奈がくすくす、笑っている。
「やっぱり、笑顔が可愛いよ。なあ、大人っぽくないとか、気にしているの?」
「はい…。」

「僕の好みのタイプ、教えようか?」
「タイプ、ですか。」
「そう。ナイスバディのむっちゃ大人な美女。」
と、耳元で囁く。

「えぇっ。ど、どうしましょう。」
両手で頬を抑える真奈は、青くなっていた。
「嘘だよ。タイプはね、品のある人。がつがつしてない女性。真奈はもう、好みのど真ん中。」
「もう!意地悪ですっ!」

ぷんっとしている真奈が、貴志の胸をポン!とたたく。
そんなこと、今までならしなかったのだろうに、どんどん解けてくる真奈が、可愛くて愛おしくて、仕方ない。
「意地悪、嫌い?」

そう言って、貴志は緩く重なっているだけの真奈の浴衣の合わせに、手を入れ、耳に舌を差し入れる。
< 78 / 190 >

この作品をシェア

pagetop