お見合いは未経験
「で、進め方とかね、成嶋さんに、今回のセミナーに研修の形で、出てもらって、今後もメインでやって欲しいんだよね、いろいろ。」
「いろいろ、ですか。」

「てか、君、何であんなに数字出来ちゃうの?」
「え?分かんないです。なんだろ。お客様のお話し聞いて…ご提案して、ご対応して…。多分、普通のことしかしてないと思うんですけど…。」
「実のところ、動けるのが君くらいしかいなくて。」

東川を手伝いながら、期の数字はほとんど出来てしまっている葵くらいしか、動ける人材がいない、と言うのだ。
炯さんの下にいた時は、この3倍は働いていた。と葵は思っているので、出来なくはないが、改めて、やっぱり、炯さんはすごい…と思ってしまうのだ。

「私で、いいんですか?」
問題はないんだろうか?
夫なんですけど、講師が。

「正直、内容より、取り回しを勉強してきて欲しい。」
「あ、ホントに段取りとかですね?分かりました。」
「スケジュールは後でメールするし、先方の支店長や次長にも話し通しておくから。」
「承知しました。」

葵は、自席に戻ってから確認項目をテキストにして作成しておいた。
後でそれを、マニュアル化したものを各支店にメールで配信すれば良いのだ。
その後は、自分のお客様の訪問、帰ってきたら、東川に帯同だ。

よしっ!今日も、頑張ろう!
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