私達には、関わらないで!!

陽菜乃の幼稚園への登園も
回りを気にしながら行く
陽菜乃に休むように
話したが
「どうして?ひな、どこも痛くないよ。」
と、言われて言い返せなかった。

日頃、休まないように
話しているから。

取り敢えず、先生に
私が迎えに行くまでお願いします。
と、伝えた。

二、三日は、静かだったが
ゆかりさんから
「今日、来たの。
芽依ちゃんを探してると。
だから、そんな方はいませんよ
と、言ったの。
理さんが、前もきましたよね
なんなんですか?あなた。
と、言うと、すみません。
と、言って店を出て行ったけど。」
と、言いながら心配してくれていた。

何なんだろう·····

そう思っていたが
それからも毎日来て
レストランで食事をして
帰って行くそうだ。

ゆかりさんと話してから
私の事はきかなくなり
食事をするだけとか。

いったい、なにが····

気持ち悪いし····
理伯父さんやゆかりさんにも
心配ばかりかけている

次の日、隠れて見ていると
スーツを着た人がレストランへと
入って行く
ゆかりさんの顔が
少し険しくなったから
この人?と思った。
だが·····
見たことのない人·····だったから····

食事をしている姿を見て
美味しそうに食べる男性を見て
レストランに入ると
ゆかりさんと葵君が
びっくりした顔をしたから
二人に笑ってみせて
その男性が座るテーブルの横に立つ

男性は、料理を食べ続けていたが
「あの~?」
と、声をかけると
「はい。」
と、私を見ても反応がない
私も知らない顔だ。

この人じゃない? だれ?
「いえ。間違えました。
すみません。」
と、言ってテーブルから離れようと
すると·······

「あの、もしかしたら
   前園 芽依さんですか?」
と、立ち上がり言う男性に
「あなた、誰なんですか?
なんのために、何度もここに
くるのですか?」
と、訝しげに訊ねると
「私は、石川 陽真と申します。」
「石川?!」
と、言うと理伯父さんもゆかりさんも
私の元に来てくれた。
「はい。悠真の弟です。」
と、言う彼に
「帰って!!帰って下さい!!
そして、二度と此処に来ないで!!
あなたの顔もみたくないし
石川の人達に会いたくもない!」
と、あの時の悔しさや悲しみ、
屈辱が甦り、両手を握りしめる。

そんな私の手をゆかりさんが両手で
包んでくれた。

理伯父さんが
「料金も要らない
帰ってくれ。
そして二度と来ないでくれ
あんたのところが姿を消せと
言ったんだ。

なら、探すな。

金持ちかなんか知らないが
鎌倉じゃ、俺だって顔はきくんだよ。
二度と来るな!!」
と、言うとテーブルの食器を
次々、片付けていき
「ゆかり。芽依を連れてきてくれ。」
と、言うとゆかりさんが
「芽依ちゃん、大丈夫?」
と、言ってくれたから
何度も頷くと
「あんた達、人間じゃないわよ。」
と、男性に言い捨てて
ゆかりさんは、私を連れて
厨房に入って行った。

男性は、両手の拳しを握り締め
しばらく立ち尽くしていたが
厨房に向かって頭を下げると
レストランを出て行った。

彼のいたテーブルには、
料金が置かれていた。

何をしにきたのだろうか?
悠真の弟?

悠真には、似てないように思うが···
悠真に頼まれたのだろうか?

それは····ない··だろう····

自分達が、関わるなと
言ったのだから·····
   いまさら·····だ·····

だが······陽菜乃は、守る。

必ず、守る。

私の命より大切な愛する娘。
< 12 / 65 >

この作品をシェア

pagetop