私達には、関わらないで!!

···母


あちこちからクレームもあり
激励の言葉もあり
毎日が大変な日々だった。

だが、前のように食は抜かない
睡眠は、仕方ないが
芽依と約束したから。
芽依と陽菜乃の為にも
これを乗り越えるしかない。

あの写真と帳簿を雑誌社とメディアに
送った。
もちろん警察にも届けた。

メディアには、記者会見を直ぐ
行うのを条件に渡したから
直ぐに会見が行われた。

母の従兄弟達も同席した。
母から、
「誠心誠意の謝罪をしてきなさい。」
と、言われていた。

さすが、石川財閥のお嬢様だった方だと
思った。

株価は、多少暴落した。

だが、各社の社長達は
優秀だ、すばやい対応で
株主の方からも
「信頼しているよ。」
と、言ってもらえた。

従兄弟達も早い対応だったから
問題ないと言ってくれた。

石川の各社が不正を行った訳ではなく
父、忠臣が行った事だ。
今は、警察の取り調べを受けている

代議士達も芋づる式だ。

国を動かす人達の全てが
クリーンで国民の為だけに
一生懸命働いてほしい。
俺は、そう願っていた。

もちろん、父の秘書として
林も調べられていた。

少し落ち着いてから
早乙女に会社を任せて
母と赤木財閥に出向く。

赤木財閥の総帥と娘の雨音さんに会う。

赤木財閥の総帥が
「石川の奥様、この度は
大変でございました。
私ども赤木家は、いつでも
ご協力いたしますので
何なりとお申し付けください。」
と、母に言った。
母は、
「ありがとうございます。
ですが、我が石川家は、赤木家の
力を貸して頂くつもりも
ご協力願うことも致しません。

あなたも、赤木家の総帥でしたら
ご自分の財閥が今、どのようになって
いるのかお解りですよね。」
と、傾きかけている赤木の事は
知っているとばかりに言うと
「なっ、何をっ、女かと思って
下手にでていたら。」
と、怒鳴る赤木財閥の総帥に
「あら、それがあなたの本性ですのね。
結構、赤木の全てから石川は
撤退いたします。」
と、言い切る母に
「そんな、ことが····

「できますよ。石川は、赤木に
関わらなくてもきちんとできる
人材達がトップにいますから。」
と、俺が言うと母は、嬉しそうに
微笑んで
「それと、あなた。
赤木 雨音さんでしたかね
あなたのような方を石川に
招くような事はございませんから。」
と、雨音に対して言う母に
「私の商才をご存じでは?」
と、言う雨音と赤木家の総帥に
向かって、数枚の写真と
ソライルでゆかりさんを脅した
声を再生した。

雨音と総帥は、写真を見て
録音を聞いて
「お前は、何をやっているだ!!」
と、総帥が娘を怒鳴り付けると
「調べるなんて!」
と、雨音が言うから
「あなただって、調べてソライルに
行ったのでしょ?
それに、林のお下がりなんて
気持ち悪くてヘドがでます。」
と、言うと顔を真っ赤にして
俺に喰ってかかろうとする雨音に
「みっともない。
財閥の娘ともあろう方が。
私の知人を脅すとか
言語道断。
まして、石川を甘く見ないで頂きたい。
あなたのような方に
わたくしの大切な息子を
任せるなんてあり得ません。

良いですか、今後一切
石川にもこの悠真にも
レストラン・ソライルの方々にも
接触を禁じます。
弁護士からも書面にて
通達致します。
このテープは、警察には提示しません。
ですが、赤木側がなにか
してきた暁には、公にいたします。
良いですね、赤木さん、雨音さん。」
と、母が言うと
二人は、「解りました。」
と、頭を垂れた。

俺と母は、赤木家を出て
母を自宅に送り、会社に戻った。

幸い、母の元に記者が
押し掛けたのは少しの間だけですんだ。

それは、母が逃げずに対応します。
と、言ったからだ。
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