私達には、関わらないで!!
9章

···卒業


陽真の卒業の日
芽依を誘った。

ご家族水入らずで
と、芽依は言ったが
母が
「石川のせいで卒業の式典に
出席出来なかった芽依さんが
気分だけでも味舞う事ができたら。」
と、言って実現した。

芽依を陽真の大学の門の前で待つと
薄いピンクの着物を来た
芽依がタクシーから降りた。

それは、それは、凛々しくて
綺麗で、見惚れてしまった。
「悠真っ?悠真って、変?」
と、言う芽依を
そっと抱き締めて
「綺麗すぎてボォーッとしてしまった。」
と、言うと
真っ赤になりながら
「ありがとう。」
と、言うから
芽依の手を引いて
式典の会場に向かう

式典がまもなく始まる所で
入り口からはいる芽依に
皆、目が止まる。
ふん、見るな!見るな!と
思いながら進み
芽依を母の横に座らせて
芽依の横に腰かけた。

母と芽依は、あの会見の後
会ってお互いに挨拶を
済ませていた。

「芽依さん、ようこそ。」
「ありがとうございます、お義母様。」
と、言うと二人で笑っていた。

芽依が、今日着ている着物は、
母が若いときに作った物らしい。
芽依は、とても気に入っていて
「陽菜乃にも着せる。」
と、言っていた。

陽真は、卒業生代表で謝辞を言う

芽依が陽真の謝辞の前から
ドキドキすると言うから
「あいつは、大丈夫だよ。」
と、手を握ると
ほんとに手汗をかいていて
笑ってしまった。

陽真は·····

本日無事卒業を迎える事ができた喜びと
今から旅立つ未来へ
楽しみと緊張に包まれております。

多くを教わった教授を始め、
大学全ての中でお世話になりました
諸先生方への感謝の心を常に持ち
共に学んだ学友達を忘れる事なく
生きて行きたい。
そして、自分達を影で支え
励ましてくれた家族に
少しでも報えるように
たゆまない努力を続けて行く事を
ここに誓います。

それから、私事ではありますが
私の尊敬する兄と肩を並べる事が
できますように日々精進いたします。

   以上で謝辞とします。

    卒業生代表 石川 陽真

と、言った。(省略)

芽依は、悠真の目がキラキラと
輝いているのを見て
涙が溢れた。
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