【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
ばしゃり。
 護孝さんが私の肩にお湯をかけてくれる。
 なんだかんだしてからご飯を食べた。今日は一緒に入浴している。

「なにが適当なんだ?」

 聞かれてた。

「私のお料理が手抜きで……」

 今日は目刺しに大根おろし。
 キュウリとワカメのぬた。
 雑穀米のご飯に、お麩とネギのお味噌汁。
 頑張ったのが茶碗蒸しで、シュウマイはデリです。

「美味かったよ。共働きなのに作ってくれるだけで嬉しいし、俺も料理を作るから手間ひまかけてくれてるのも知ってる。ありがとう」

「護孝さん」

 優しい人。結果だけじゃなく、経過も評価してくれる。

「大好き」
「ひかる、もう一度食べたい」
「あ」

 ……浴室でも艶めかしい時間を過ごしてしまい、のぼせてしまった私を、護孝さんは軽々と抱き上げ寝室に運んでくれた。

 体を冷たいタオルで冷やしてくれたり、水を口移しで飲ませてくれたり。
 甲斐甲斐しく世話をやいてもらい、ようやく人心地ついた。

「あー……。ひかるの笑顔見て、二人で笑い合って癒される」

 しみじみと呟き、私の胸に顔を埋めてしまう護孝さんの髪を慈しみの想いで撫でた。
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