【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
 私に、玲奈ちゃんは笑いかけてくれた。

「なんで、ぐいぐい来るかって。そりゃ、ひかるちゃんを好きだからに決まってるからだと思うけど?」

 なにを悩むのかと玲奈ちゃんに首をかしげられたが、自分が冴えない顔をしているのはわかる。

「でも」
「その問いには俺が答えさせてもらおうかな」

 滑らかな声が聞こえてきて、体が飛び上がった気がする。

 今日来るって聞いてない!

 私が考えてることはお見通しとばかりに笑いかけられた。

「急ですまない、ひかるに会いたくなって。携帯に連絡したら繋がらなかっから、こちらだろうと思った」

 ……見透かされてる。
 愛おしいものを見ているような、眼差しを向けられる。

「みるみるうちに真っ赤になった。それに表情が輝いてる。……俺に会えて嬉しい?」

 玲奈ちゃんが私を護孝さんの傍へと押しやる。
 護孝さんは玲奈ちゃんにも挨拶をした。

「夜分にすまない。今夜は月が綺麗だから、庭を歩かせて頂きたいと思って」

「ごゆっくり」

 玲奈ちゃんは満面の笑みでうなずくと、母屋へと向かった。
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