【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる
 プロジェクトで大忙し。
 護孝さんも、海外出張や地方視察に忙しい。
 同じオフィスにいるのに顔を合わせない日もある。
 そんなある日、久しぶりに護孝さんからデートの誘いを受けた。

 大きな箱いっぱいに洋服やバッグに靴、アクセサリーまで贈られてきた。
 タイミングよく鳴った携帯の画面をみれば、護孝さんからだった。

『あらかじめ断っておく。次に会う日、ひかるにプロポーズをする。ホテルの部屋をとってあるから、そのつもりでいてくれ。贈った服はその日に身に着けておいてほしい。……帰さない』

 頬が熱い。
 彼の言葉を受け取る耳から炎が、体に広がるようだ。

 とうとう、護孝さんと。
 待ちのぞんでいたはずなのに、心臓がドキドキと煩い。

『ひかる?』

 無言でいる私に不思議に思った護孝さんが返事を催促してくる。
 なのに私ったら、彼に見えるはずもないのに、こくこくと首を縦にするばかりで。

『聞こえてるか? 電波状況が悪い?』

 再度返事を促され、ようやく『ひゃい!』と叫んだのだった。
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