アタシと秘密の王子さま
秘密
楽しい時間を過ごして、美花さんの部屋を辞去したのは、もう10時近かった。

「あかね、ファハドさんと喋ってたね。
心配することなかったでしょ」
「ファハドさん、優しかったなー。
会社にいる時とは大違い」

あかねの小さな手を握って、部屋まで戻る。
「ファハドさんが、あんなにイチゴが好きなん
て、びっくり」
「あの人、いちごのことになると、はしゃぐからな」

「あんなに素敵な人なのに、かわいいね」
ちょっとだけ、イラっとした。
俺、心が狭いなぁ。

あかねを知ってから、俺はどんどん嫉妬深くなっていく。
いつもニコニコして、分け隔てなく人に接する彼女を見ていると、モヤモヤする。

こんな感情があったなんて、
自分でもびっくりだ。
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