君と見る空は、いつだって青くて美しい



 とにかくあの頃の私は、身体は生きていたけれど、心は全く生きてはいなかった。
 というより、生きようとしていなかったのかもしれない。
 それだけ私の心の中は追い詰められていたのだと思う。
 追い詰められて……。

 違う。
 もしかしたら、追い詰められていたのではなく、追い詰めていたのかもしれない。
 自分で自分を追い詰めて、追い詰めて、追い詰めて……。

 そして自分を追い詰めた結果、自分の心が死んだようになった。

 でも、あの頃はどうにもならなかった。
 自分ではどうすることもできなくて、なにも思いつかなくて、ただただ暗闇をさまようしかなかった。
 心の声すら出すことができない、その暗闇に。
 それ以外、私には道はないと思った。

 本当は嫌で嫌で仕方がなかったけれど、その頃の私には、その道しかないのだと思っていた。


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