君と見る空は、いつだって青くて美しい



「真宙くん、本当にいいの? 教室まで一緒に行ってくれて」


 今、私と真宙くんは屋上を離れるところ。

 そして私が教室に入るところまで真宙くんが送ってくれると言ってくれた。


「いいに決まってるでしょ。だって、やっぱり希空ちゃんのことが心配だから」


 ほら。
 やっぱり真宙くんは私のために、私のことを教室から連れ出してくれた。
 真宙くんが真宙くん自身のために私のことを教室から連れ出してくれたのとは違う。

 やっぱり真宙くんは優しくて思いやりがあって気遣いの人だ。
 本当に真宙くんには感謝の気持ちでいっぱいだ。
 だから。


「ありがとう、真宙くん」


 やっぱり真宙くんに『ありがとう』を言わずにはいられなかった。


< 270 / 553 >

この作品をシェア

pagetop