君と見る空は、いつだって青くて美しい



 でも真宙くんのことだから。


「わざわざ『ありがとう』なんていいよ」


 やっぱり真宙くんはそう言った。

 だけど。


「ううん、言わせて。本当にありがとう、真宙くん」


 やっぱり真宙くんに『ありがとう』を言いたかった。


「希空ちゃん……」


 私が、もう一度『ありがとう』を言ったからなのかは、はっきりとわからないけれど、真宙くんは少し照れくさそうにしていた。

 そんな真宙くんの様子が、とても可愛く見えた。


< 271 / 553 >

この作品をシェア

pagetop