君と見る空は、いつだって青くて美しい



 図書室を出て急いで学校からも出た、私。

 焦っていたから、本を返すことも忘れていた。

 何をやっているんだろう、私。
 私は心の中で自分にそうツッコミを入れた。

 それと同時に、全身から力が抜けたようになった。
 全身の力が抜けたせいで、足に力が入らなくなり、一歩前に出すだけでも重く感じて、なかなか前に進むことができない。
 まるで両足に重たい鉛でも付けられているような、そんな感覚がする。

 ……でも……それでも、歩かなくてはならない。
 だから私は、一歩また一歩と、ゆっくりだけど力を振り絞って歩いた。


 歩いているとき。
 私は思い出していた。
 真宙くんのことを。
 真宙くんには本当に申し訳ないことをしてしまっている。
 心の中で何度も謝っても許されることではない。
 それでも。
 ごめんね、ごめんね、真宙くん。
 私は心の中で何度も謝り続けた。


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