ひとりぼっちの王子
九条 時雨side
社長がしぶしぶ、鍵を開けてくれた。

ガチャ━━━━━
玄関が開き、そこには━━━━━━

「……っ…
そ…ら?空羅なの、か……?」

かなり痩せ細った空羅がいた。



もともと細い方だったが、それよりも益々痩せていたのだ。

俺は咄嗟に今にも折れそうな腕を掴み、引き寄せた。

「空羅…空羅…
逢いたかった………」
力いっぱい抱き締める。

空羅は抱き返すことなく、ただ…俺に抱きすくめられていた。
「空羅…俺と帰ろう!
晴加も会いたがってるよ?」





「…離して…………」



しかし………

空羅から出た言葉は、あまりにも残酷な言葉だった。


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