今夜はずっと、離してあげない。



声が、目が揺れているのがわかる。


……ああ、そっかあ。

そっ、かあ。




「ま、マオマオ、どうしたの?まさか悪霊が取り憑いたりした?」

「千井、いま茶化す時じゃないでしょ?!真生が今世紀最大に動揺してるんだから!」

「………、」


「やっぱり私バカにされてない?」




朝水くんは気にした風もなく無言でカルボナーラ食べてるけど、凛琉と千井は相変わらず失礼。


おかげで動揺も何もなくなっちゃった。



……けど、





「……なんだあ」




そういうことか。

いろいろと、合点がいった。




吸った息は弱々しく、

言葉になりそこなって、空気に溶けた。




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