今夜はずっと、離してあげない。




「あ、あの、千住サマを除け者にしたわけではなくって」




千井、ほんっといい加減なことしか言わない!!

千住サマ大激怒じゃん!!目、上から吊り上げてるんじゃないかってほど吊り上がってる!!


頭の中の千井がごめ〜ん、なんて軽いことを言うから、倍イラッとした。


でもそれを表に出したら、今の千住サマにイライラしてると思われかねないから、我慢。




「実は、夏休みに入った最初の頃、凛琉が一緒に遊園地行かないかって誘ってくれて……」

「その時は2人だけだったのか?」

「い、いえ……。なぜかもう朝水くんが行くことは決まってて」

「…………へえ」




そこまで話すと、なぜか千住サマが納得したような声を出すから、思わずきょとんとしてしまう。

……けど、すぐさま続きを話せと言わんばかりの目で睨まれるから、慌てて口を動かす。




「そ、その後、凛琉がもうひとり男子を誘えって言ったので……」

「誘いやすい千井を誘ったと?」




威圧感のある声に、こくりと頷く。

誘いやすかったかどうかは置いておいて。


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