今夜はずっと、離してあげない。




「……それから、私の大事な同級生だよ」



気づいたけれど、もう遅い。


唯一無二、なんて、もういないから。

言えないし、言っちゃダメ。


言ったら言った分だけ、自分がつらくなるだけだから。



本音を押し込めるように笑顔を浮かべながら答えると、朝水くんは、そ、と短く返事をしたのち、すたすたと帰って行ってしまった。


その後ろ姿を見送ったのち、凛琉と顔を見合わせる。




「……朝水くん、一体何しにきたの?」

「わたしに聞かないで……?」

「だって、凛琉の方が朝水くんと仲良いし……」




結局、朝水くんの意図はわからすじまいで。


面倒くさいことになるから、とかなんとか言っていたけど、そもそも私と千住サマの関係はもう終わったも同然なんだけど……。



やっぱり、朝水くんって不思議くんだよなあ、と思うほかなかった。



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