今夜はずっと、離してあげない。
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別に、今まで氷高真生が俺だけのものだなんてことは思ったことはないし、そもそもそんなことを思うのは高慢で稚拙とさえ思っていた。
……が、それをあたらめる必要があると感じたのは、たしか、あの時か。
「ちずちずちずちず!!ヤバいよ!!」
「人の名前連呼して楽しいか?」
「楽しくはないよ!言い間違えそうになって焦るし!ってそうじゃなくて!!」
冬休みがあけて、あと数ヶ月で春とともに新学年を迎える季節。
千井は事あるごとに隣のクラスにいる真生と葉柴に会いに行っていて、その時も授業の合間に入る休み時間に突撃してきた帰りだった。
「マオマオが……っ、」
「は?真生に何かあったのか?」
あんまりにも千井が鬼気迫る表情をしていたから、まさか大怪我でもしたんじゃないかと立ち上がりかけた。
……けど。
「マオマオが男子と楽しそうに喋ってた!!!」
「………………あ、そ」
「すごい興味なくした顔しないで!!」