今夜はずっと、離してあげない。



「……べつに、無理に俺との時間つくんなくてもいいのに」




くぅくぅと変な寝息をたてながら、ぶしゃあっと画面が血飛沫に染まる場面で寝るなんて、図太すぎる。

……それに、疲れてるならさっさと寝ればいいものの、わざわざ俺といることを選んだり。


まあ、今回は8割……いや、9割がた今日の俺の変な言動のせいだとは思うけど。



真生の頭をソファにもたせかけると、すぐにこてりと俺の肩へと頭が落ちて来た。

穏やかに眠るその姿に、抱き上げることをやめる。

……ほんとは、ベッドで寝かせてやったほうがいいんだろうけど。いま抱き上げたら、起きそうだし、なんて言い訳じみたことを心の中で独りごちる。


かわりに、手を伸ばしてリモコンを手に取り、ぎゃああああ、なんて叫び声が上がっているテレビの画面を落とした。



……今回のことで、よくわかった。

たしかに、氷高真生のことは好きだし、なんならたぶん愛してるし、絶対的な唯一無二だけど。


それを差し置いても、俺は、氷高真生の意志を第一優先で大切にしたい。



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