今夜はずっと、離してあげない。
「そりゃ、お前が家主だから……?」
「なんで疑問系??」
ともかく、いちお遠慮してるんだね。それはよくわかった。
「でも、自分の分と私の分は同じ中身にしてください。じゃないとこっちがもやっとする」
「なんでお前がもやっとすんの?最初はあんなに嫌がってたのに」
「おかあさんだから」
「理由になってない」
理由になっていようとなかろうと、中身は同じにしてもらう。
そんな圧をかければ、わかったよ、と仕方なさそうに折れてくれた。
「あ、あとチイには親戚設定は嘘だって言っといたから。その方が現実味増すし」
「さすがのフォロー、ありがとうございます」
やっぱり親戚設定で通すのは難しいか。
そして、この人のやり方、見た目のわりに案外丁寧、
「じゃあ、もし同居してるのがバレたらどうします?」
「……その時に考える」
……でもなかった。結構雑だった。