今夜はずっと、離してあげない。




「わあ、お弁当……ありがとうございます」

「あとお前、今日体育なのに体操服忘れてただろ。ほら、コレ」

「あ、ほんとだ。どうもです」



まさに、至れり尽くせりとはこのこと。


私、このままじゃダメ人間まっしぐらなのでは……?


そんな未来が見えた気がして、ほんの少し。すこーしだけ、もっとしっかりしなきゃと思う。



……有言実行できるかは別として。



「……え、なに。ふたりは親子なの?親と娘なの?」

「真生が完全に懐柔されてる……」



そんな私たちを見て、ぼそぼそと呟くチイさんと凛琉……って、



「凛琉、どうしたの?そんなきょろきょろして」

「え?……あ、ちょっとね」



凛琉の歯切れの悪い言葉に首をかしげて、同じように周りを見渡したら……昨日と違うところを見つけた。


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