今夜はずっと、離してあげない。
*
「……なあ、」
「……あ、はい。なんですか?」
「さっきからおまえ、おかしくないか?」
「………気のせいでは??」
目を逸らしながら、本日のメインである麻婆豆腐を口に含む。
ううむ。うまい。うますぎる。
どうしたらこんな味を出せるんだろう。不思議で仕方ない。
……なんてことを考えていても、流されてくれるワケもなく。
「さっきからぜんっぜん目が合わないんだけど、なんなんだよお前」
「……いやあ、はは」
「笑ってごまかせるほどお前嘘上手くないからな」
「ゔっ、」
千井から余計なことを聞いてしまった日の夜。
案の定、あのことを聞いてなんだか顔を合わせづらくなってしまい、それが明らかに態度に出てしまっていたらしい。
喉に麻婆豆腐が詰まってごほごほっ、と咳き込めば、お茶をコップに入れてくれる。
お昼にあんなに煽ったのに、ちゃんとおかあさんしてる。