意識して、すきにして、
「……まいみ」
「何」
「おれのこと、ほんとに、すきにする?」
「っ、んえ?」
「すきにしてくれないの?」
「…………」
すきにしたら、かや、また冷たい反応するんじゃないの?
照れとか、熱とか、隠そうとして。
慣れない態度をとるんじゃないの?
そんなかやを見るのも、可愛くていいかもしれない。
「──すきにする」
言って、手を取って、絡めて。
あったかいね、かや。
「帰ろ」
「……おう」
わたしとは反対側を向いてしまった彼が、愛おしい。
立ち上がって、教室を出る。
廊下に足を踏み入れて、あまりの白さに目を細めて。
「廊下を手ぇ繋いで歩くなんて、悪いことしてる気分だな」
「……あ、いいこと思いついたよ」
「たぶんそれ、いいこと、でもないと思うよ。聞く前からわかる。企んでる顔しないで」
「ね、すきって言って、かや」
かやが顔を真っ赤にしたのは、それをわたしに見せたのは、予想外だった。
ぎゅっと、指先にちからが込められる。
とりあえず、つくるヘアゴムには赤色を入れようと思う。
Fin.


