バカな君へ、贈る愛

「珠華、おはよう」



下駄箱で、上履きに履き替えていると真白の声が背後から聞こえた。



「真白! おはよう」



「なんか珠華、最近調子よさそうね?」



真白にそう言われて、わたしは思わず体が静止ボタンでも押されたかのように止まった。



「……そ、そうかな?」



「うん、なんか前より明るい顔つきになること増えた気がする。うまく言えないけど……学校来る時や帰る時、結構明るいよ」



……もしかして、おうくんとお父さんとの違いが顔にまで出てきちゃってるのかな?



「あれ、自覚してない? 緩んじゃってるよ」



わたしのほっぺを、ツンツンとしてくる真白。



「えっ、嘘……!」



「ふふっ。まあ、話せる時に何があったのか話してよ!」



「う、うん!」



そうだね。
1番の親友の真白に、おうくんのことをずっと隠してるわけにいかないや。




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