もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
涼子(りょうこ)……」
 あたしが机の横に立つと、涼子はいきなり立ち上がった。
 そのまま、あたしの身体を肩で押すようにして廊下へと走り出す。
「涼子!」
 みんながこっちをうかがっているのは、わかっていたけど。
 みっともなくたってなんだって、今度はもう、ひとりでなんか行かせない。
 ひとの目なんか、気にしない。
「待って!」
 友だちなんだから。
 ケンカしてたって友だちなんだから。


「涼子……」
 追いついたのは、だれもいない屋上のすみっこ。
「あっち、行って!」
 涼子が風に舞う髪をおさえて叫ぶ。
 あたしはゆっくりと近づきながら首を横に振った。
「泣いたわけを聞くまで……行けない」
 涼子がハッとあたしを見て、うつむく。
 そんなのダメだよ、涼子。
「友だち…なのに。あたしたち友だちなのに。もうこんなのやめて、涼子」
「…れが、友だちよ」うなるみたいに言って涼子が顔をあげる。
「あ…きおのせいじゃない。あたしがこんなにつらい思いをしてるの……、明緒(あきお)のせいじゃない!」
 うん。ごめん。
 風に乱れる髪もそのままに、涼子が両手のこぶしを握りしめた。
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