惚れたら最後。
結局事務所の電子機器は、絆の幼少期の写真が壁紙になってしまった。
絆はものすごく嫌そうな顔をしていたけど、何食わぬ顔で事務所を出て、最上階の部屋に戻ってリビングで勉強をしていた。
さすがに入試一か月前だから真面目にしないと。
スマホを利用し、行きたい大学の過去問を解いていると絆が部屋に帰ってきた。
「どう?元に戻せた?」
「無理、戻しても勝手に俺の写真にすり替わる。
どうなってんだあれ」
「ざっくり言うと、ウイルス忍び込ませて設定してるの。おもしろいでしょ」
「おもしろくはねぇ」
絆は疲れた顔でキッチンに向かうとコーヒーメーカーを戸棚から出していた。
私は知らん顔で問題を解いていると、しばらくして辺りにコーヒーのいい香りが漂った。
「ん、これ琥珀の。ブラックでいいか?」
「うん、ありがとう。……はー、いい匂い」
両手にコーヒーカップを持ってダイニングテーブルに来た絆。
優雅な所作でカップを口に運んでいく様子を見つめているとふと目が合った。
「ねえ絆、ちなみに社長令嬢抱いたことある?」
「ぶほっ!……はぁ?」
不意に質問すると、彼はお笑い芸人のコントかというほど見事にコーヒーを吹き出してしまった。
絆はものすごく嫌そうな顔をしていたけど、何食わぬ顔で事務所を出て、最上階の部屋に戻ってリビングで勉強をしていた。
さすがに入試一か月前だから真面目にしないと。
スマホを利用し、行きたい大学の過去問を解いていると絆が部屋に帰ってきた。
「どう?元に戻せた?」
「無理、戻しても勝手に俺の写真にすり替わる。
どうなってんだあれ」
「ざっくり言うと、ウイルス忍び込ませて設定してるの。おもしろいでしょ」
「おもしろくはねぇ」
絆は疲れた顔でキッチンに向かうとコーヒーメーカーを戸棚から出していた。
私は知らん顔で問題を解いていると、しばらくして辺りにコーヒーのいい香りが漂った。
「ん、これ琥珀の。ブラックでいいか?」
「うん、ありがとう。……はー、いい匂い」
両手にコーヒーカップを持ってダイニングテーブルに来た絆。
優雅な所作でカップを口に運んでいく様子を見つめているとふと目が合った。
「ねえ絆、ちなみに社長令嬢抱いたことある?」
「ぶほっ!……はぁ?」
不意に質問すると、彼はお笑い芸人のコントかというほど見事にコーヒーを吹き出してしまった。