君をトリコにする方法
「……あ、えっと、私とまわるのが気まずいとかなら瞬貸そうか?」


「はあ?」



斜め上からとんでもなく不機嫌な声が聞こえた。


わー、ごめん瞬!


もともと私のものじゃないし、もの扱いして最低なのはわかってるけど許して!


彼女に、水野さんにどうしてもイエスと言ってほしいの。


そんな私の祈りは届かず、水野さんは綺麗な顔で笑うと「ううん」と首を振った。



「ありがとう立本さん。優しいんだね」


「えっ、や、そんなことは……」


「ふふ。私ね、たぶん立本さんのライバルっていうか、嫌な立場のやつだけど、それもわかってて優しくしてくれてる?」



綺麗な瞳。

だけどその奥は笑っていなくて気が張り詰める。



「おい花音」


「はいはい、瞬はちょっと静かにしててね。立本さんと話したいの」



にこっと笑う彼女は本当に綺麗だ。

私なんかじゃ比べ物にならないくらいに。


それがわかってるからもあるのかな。


彼女と向き合うと、ドキドキと嫌な緊張が走ってしまう。



「去年、私と瞬が付き合ってるって噂流れてたの知ってる?」


「……うん、もちろん」



うなずくと彼女は「そっか」と言ってうつむく。

そしてすぐに顔を上げた。
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