君に決めた💖-――音楽🎶楽団-――
あれから、半月の月日が経ち、真紀はボーっと泣いていた。ボーっとしている為、両親と兄貴は心配していた。真紀は兄貴と別の部屋であり、正直言って、家を出ようかとも思っていた。自由にクラリネットを吹けなくなると、とても困ってしまう。クラリネットは自分ではとても上手に吹けていると思っており、自分の思う通りに吹いていた。それが原因だったのか??―――そう思った。
今、真紀はふと思い立った。公園に行ってから、クラリネットとやらを吹いてみる事にした――。
クラリネットは吹けなくなると、音色も変わってしまい、如何吹いて良いか、分からなくなってしまう。音色は纏まると、聞き易い音色になる。彼と出会ったのは、半月前の、とある公園だった。
彼の名前はいつの間にか、登録されており、『あって間もないのに、すまんな・・・』とあった。其処に、『川中誠人』と書かれていた。川中誠人にメールしてみようか?―――真紀はそう思う。
『―――こんにちは・・・あの時は・・・私も・・・酔っていて・・・逃げられなかったけど、貴方・・・如何いう人?持っていえば、こっちにも・・・火があるのよ・・・』
『―――・・・何だ、何だ?お前は・・・女の分際で・・・この俺に・・・説教でもする気か?』
彼は笑っていた。川中誠人は二十代半ばであり、彼女は一瞬、ドキドキっとしてしまった―――。
誠人は彼女に気が合うようで、美声を披露していた事を思い出した。合奏しており、演奏しており、誰もが心惹かれる美声だった。男性にしては声が高く、テノールの貴公子でも、あるらしい。
川中誠人はとても綺麗な顔立ちであり、まるで外国人である。ハーフと言われており、音声が凄く上手い。誠人は今、彼女の連絡を待っていたように、『―――お前・・・クラリネット・・・ふけるか?』と聞いて来た。誠人ははっきりと問うと、真紀はとても吃驚した様に、目を丸くした。クラリネットはとても好きで在り、家に帰って来てでも、クラリネットを、吹いている時があった。
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