ハツコイぽっちゃり物語

そして今日。12月24日。クリスマスイブ。
私と葵生先輩はデートをしに水族館へやって来たのだけれど……。



「あれ?」



なぜか目の前にちーちゃんと恋ちゃんがいて、一緒に行動することに。


でもダブルデートも夢だったし願ったり叶ったりっていうか。
そう思い改めることにしているんだけれど、珍しくよそよそしげな彼女に「どうしたの?」と笑った。


「千桜ごめんね……。なんかお邪魔しちゃって……」

「大丈夫だよ?ちーちゃん達もデートだったんでしょ?せっかくだからダブルデートも夢だったし!一緒に楽しも!」

「……ちさぁ」


ギュッと抱き締められた反動で彼女の背中をポンポンと優しく撫でると耳元で囁かれた。
ちゃんとハッキリ聞こえなかったけど『ごめん』て言ったような……?


一方、葵生先輩と恋ちゃんは……――。



「久しぶりだね」

「……あ、はい」


向かい合う2人に不穏な空気が流れているように見えて内心ヒヤヒヤ。


あの日以来に顔を合わせていると思うと本当は合わせちゃいけないんじゃないかって思う。


隣にいるちーちゃんも察したようで私の手を引いて2人の間に割り込んだ。



「私が言うのもなんですけど、行きましょっか」



こうして始まった突然のダブルデート。

先輩と2人並んで水族館の中へ。
「ショーも見たいね」と楽しそうに話す先輩にきゅんと胸が弾けた。

< 107 / 200 >

この作品をシェア

pagetop