ハツコイぽっちゃり物語
……いま、とまるって言った?
とまるって、アノとまる?
「お、お母さん?えーっと……とまるっていうのは“氵”に“白”と書いての、“とまる”です?」
「そうだよ」
「本当に言ってるの……?」
「本当だよ。いいじゃない。賑やかになったね!」
いやいや『賑やかになったね!』じゃないよ。
どこで寝るの。
まさか私の部屋とか言わないよね?
コーヒーを作っているお母さんがテレビを見ている2人に何か飲むか声を掛けたあと、また思い付いたように私を見た。
「あ、恋ちゃん千桜の部屋でいいよね」
「え"」
「なによ。恋ちゃんをここのソファで寝させるつもり?いいじゃない幼馴染なんだし。今更恥ずかしがることでもないでしょ」
「いやでも……」
私に彼氏がいること知ってるよね?
彼氏いるのに簡単にそう言うのもどうかと思うよ!?
幼馴染だけどさ。ちょっとは考えてよ。
そうだ、私お母さんと寝る。
そうしたい。
そう言おうとした時、お母さんが先に言った。
「あ、恋ちゃんをお父さんの隣に寝かせられないからね」
「え、なんで!」
「だってお父さん寝相最悪だよ?恋ちゃんに痛い思いさせたくないし、だから。ね?」
それにあのかわいい顔に傷付けたくないじゃない、と言葉を続けた。
まあ、確かにお父さん重いし、恋ちゃんじゃ簡単に落とされちゃいそう……。
でもいーじゃん。男同士なんだしさ。
そっちの方が安全だよ?