ハツコイぽっちゃり物語

「おはよ」と朝、急に言われ、

「おはよう」と返す隙もなく「いつも何読んでんの」なんて話しかけられた。

私は「ケータイ小説だよ」と掲げて見せた。


「……へぇ、横読みなんて初めてみた」

「私も最初手に取った時、ずっと縦読み脳だったから変な感じしたんだよ。でもすぐ慣れたよ」

「ふぅん。そーゆーもんなの?」

「読んでみる?」


なんて冗談で言ってみたら、即答。


あんまり本を読むタイプじゃない人だと思ったから。


けどその日をきっかけに私たちは仲良くなった。

いまでは何でも話せる唯一の親友だ。
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