ハツコイぽっちゃり物語
chapter3

焦り(恋side)


―恋side―



最近の千桜は雰囲気も俺に対する表情も変わってしまった気がする。


小さい頃からいつも一緒で、どこへ行くのにも一緒で、千桜の笑顔が俺はずっと好きで、今もずっと好き。


よく『遊んでそう』とか言われるけどさ、こう見えて俺はずっと千桜一筋なんだよね。


千桜は自分で太っていると言うけれど、そこまで太ってるってわけじゃない。
別に俺には関係ないし、そのままでいい。
ぷくぷくしててかわいいし。

体型なんて関係ない。俺には千桜がそばに居てくれるだけで充分。今まで好きな奴が出来たことないと言っていたし、だから千桜にカレシなんて出来ないと思ってた。絶対に。


……でもその考えが甘かった。
普通に余裕こいてた自分を殴りたい……。


あー、今すぐにでも『千桜が好き』って言いたい。


そう、俺は焦ってる。



【もう恋ちゃんと登校するのやめるね。だからもう待っててなくていいよ。今まで一緒に行ってくれてありがとう!】



テスト明け早々に送られてきたメッセージがこれ。


てっきり『あんなこと言ってごめんね』とかだと思ってたから唖然とし過ぎて返信をしなかった。

あれから1ヶ月も連絡取ってない。


「あーーーー!ムカつく!」

俺の甘い考えも、この文も、千桜が恋した相手にも、ムカつく。

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