何色にも変われるきみ
『おかーさん、おにいさんも来てたよ!』
『あ、あら。そうなのね』
母親が焦っていたのにも関わらず、父親にもそのことを詳しく話した。
『あのね、おかあさんと一緒に幼稚園帰るときに、いつもおにいさんも一緒に帰るんだ〜』
『礼央、おにいさんって誰だ?』
『おにいさんはね、おかあさんのお友達だよ』
『そうか』
父親はそれを気に険しい顔をして黙ってしまった。
家に帰ると途端に喧嘩が始まった。