Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編

まあ、普通ならまだ3年になりたてのガキに見抜かれない程度には、上手く接してくれてるけれどもね。あいにくぼくにはわかっちゃった。

(それにしても……お母様はどういうつもりなのだろう?女王の味方をするなら夫を上手く使えばいいのに)

2年前、お母様は女王陛下にどう対応するか決めあぐねている様子を見せていた。
表向きは公爵家の妻として務めを果たしていたし、過不足なく社交をこなしている。

当初は身分の低い外国人と侮っていた連中も今は認識を改め、徐々にお母様を認め受入れつつあるようだが。お母様には完全な味方はまだ居ない。

とはいえ、国内で最も影響力のある公爵家。お母様がその気になれば、お父様を使って女王陛下の後ろ楯になることも可能。そうすれば、今の彼女の不安定な立場も多少は磐石になるはずだけど。

(それなのに……お母様はまだなにも言わないうちに急に叔父様が現れた。絶対、なにか極秘指令があるはずだ)

スタッフたちから探ろうとしても無理だろう。
一見優秀な一般人に見えるが、みな訓練された人間。間違いなく組織の息がかかってる。
下手につついて藪から蛇になったら、今のぼくには分が悪い。

(やっぱり……アーベルには相談してみようか)

一生付き合う親友として、こいつなら信頼できる。2年でそれを実感したから、秘密を共用できると判断した。

そして、結果的にそれは間違いなかったんだ。

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