愛は惜しみなく与う【番外編】
色気に殺される!!

そう思って体勢を変えて、あたしの上にいる泉を押しどけようとしたら、今度はあたしが鼻を摘まれた。


「何すんのよ!」


「仕返し?」


鼻を触られてムズムズするから、くしゃみを必死に堪えた。きっとあたしの顔は、鼻を摘まれて、くしゃみを堪えて、ブッサイクやったと思う。


「かわいいな」


どこがやねん

そう言う泉に、突っ込みたかってんけど


あたしは呼吸困難に陥った。


花摘まれながらのキスは、あたし死ぬやん??

キスをしてくる泉の口角が上がってることがわかったから、少し強めに脇腹に拳を入れた。


死んだら困るやん!!!!

死因キスは、はずいやろ!!!


泉は脇腹を押さえて、いてぇとうずくまった。

ふん。返り討ちじゃ!


「殴ることないだろ」

「笑いながらされてたし!からかってるやろ!」

「笑いながらじゃなかったらいいの?」

「ここ、外やで!!!まだ夕方にもなってない!」

「夜ならいいのかよ」


クスっと笑って、泉はようやく頭が目覚めたと言った。
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