愛は惜しみなく与う【番外編】

自分の名前をえみりと呼び、それもぶりっ子だと言われたことも。

でもえみりって可愛いでしょ?せっかく…お母さんとお父さんがつけてくれた名前だから。もう居ないけど…

名前は誇らしいよ


響先輩は、ぽつりぽつりと話してくれた。

勘がいいのかな


響先輩は、仲のいい奴らと言っていたけど、誰のことだかすぐわかってしまった。


響先輩がもう会えないかもしれないと悲しそうに俯いたその頭の中には


きっとお店に来る女の人が浮かんでいた。


嫉妬


醜くて言葉にできない感情

響先輩にこんな風に思ってもらえるあの女の人が、羨ましい。
そしてえみりの両親の話をした。大事な人は、自分が大事にしていてもいなくなってしまうときがあるから。

辛い話をさせてごめんと

謝る響先輩


「ごめんね。悲しいことは思い出したくないよね。ごめん。俺は……弱くて…その人が居ないと不安になるんだ。ちゃんと俺はやってけてるのかなって不安になる」


なにそれ

えみり、到底叶わないじゃん



「……それは、響先輩の彼女ですか?」



諦めれるかな
知りたいと思ってたんだけど

彼女なら、諦めよう
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