愛は惜しみなく与う【番外編】
すると、即答で返事が。


「ねぇちゃん!」


ねえ、ちゃん?



「金髪の女の子いるでしょ?よく来る子。あの人はね、俺のお姉ちゃんみたいな人なんだ。杏がいたから俺は、こうやってバイトもできてるし、吉田さんともカウンター越しだけど話せてる」


料理も教えてくれたのは杏なんだ

そう笑った

少し拍子抜けした

戸惑う様子もなく、素直にお姉ちゃんみたいな人だと笑った。


響先輩に料理を教えて、バイトができるほどに立ち直らせてくれた、優しい人に


あたしは嫉妬していた。


恥ずかしいな

まだまだあたしは子供だ


でも諦めたく無いな


「お姉ちゃんですね。じゃあえみりも、その人に感謝しなくちゃですね」


「ん?」


これは本当に思った
響先輩は、有名な人だから沢山噂がある。
女の子とは一切話さない。目も合わせない。そんな風に言われてるのに、こうやって優しく笑いかけてくれるから



「えみりと響先輩が話してくれるのは、その人のおかげでしょう?だから、えみりも感謝です」



本当に、感謝ですよ。
仲良くなってくれるかな
響先輩はまた、こんな風に自分の話をえみりにしてくれるかな。
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