thistle
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あれから、幾らか時が流れた。
先程まで生暖かい風が吹き、星の煌めいていた漆黒の空は、晴れ晴れとした晴天が広がっている。
カーテンの隙間から差し込む陽の光に目を細め、少しダルさの残る身体をベッドから起こした。ギシリーーと軋むベッドの音でさえ、寝起きの耳には響いてうるさい。不愉快で仕方ない。
「……もう朝かぁ」
不意に出た言葉。
朝が苦手な私にとって、ソレの存在は余りにも邪魔で憂鬱でしかない。ハアーと深い溜め息を一つ吐き、ベッドの周りに散らばる下着などを拾い集めて、素早く何も纏っていない体に身につけた。