やり直せる?
6▶▶今起きてること

···夫の言葉と夫婦のあり方


「あなたにとって私はもう
必要な存在ではないとわかったの。
それなら、私も私の好きなように
生きてみたい。」

「俺が働いているから
こうやって過ごせてるんだ。
離婚なんてみっともないことできるか!」

「やっぱり······
みっともないから、
できないんでしょう?
あなたに、私への気持ちも
思い遣りもないのですね。

私は、あなたの家政婦では
ありません。
それに、私は今、
従兄弟の洋介の店で
働かせてもらっています。
知らなかったでしょ?
どうせ、姉の所で
遊んでいると思っていたのでしょ?」
と、言うと
要は、罰の悪い顔をした。

私が遊んでいると思っていたんだ
別れたいと思いながら
ああ、この人は、私の事が
何もわかっていなかったんだ
と、そっちの方が胸にこたえた。

夫は、
「話しにならない!」
と、言い捨て自分の寝る部屋に入った。

私は、落胆しながら
明日もう一度、話してみようと思い。
姉と洋介に報告だけをして
私は、シャワーを浴びてベッドへと
入った。

だが····頭の中では
いつからこうなったのだろう····
あの人は初めから私に気持ちは
なかったのではないか·····と
思えてきた·····


年を取れば····
長く夫婦をしていたら····
私達みたいな生活をしている夫婦も
いるだろう
頭の中でわかっているが·····

私は、それを望んでも、
ましてや理解もしていない。

お互いが、この世を去るまで
お互いを思いやっていたい。

愛してるの言葉が恥ずかしくても
手を繋いだり
抱き締めあったり
膝枕をしたり
身体を繋げなくても
愛情を感じる動作はある。

年を取り、若さがなくなり
昔とは違ってきた····
そんな事は自分が一番わかっている

だけど、一度は好きになり
愛も感じていたはずだから
嘘でも···いい···
口から····出任せでも····いい
「変わらないよ。」
「二人とも年月が過ぎただけ。」
「ずっと、一緒にいような。」
「最後は、お前に見届けて欲しい。」
何秒もかからずに言える言葉だ。

私は、そんな夫婦でありたかった
だけ······

あの人とは、根本的に
違うのだろうな·····

何年も、何十年も一緒に
いたのに······
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