夜空を見上げて、君を想う。
「…ぅ…あ…」
俺は堀田のもとに寄り添い、彼女を優しく抱き締めた。
身長差が30センチもある堀田の体はびっくりするくらい、すっぽり俺の胸に収まった。
「泣け。」
「……っ……ぁ、うあああああっ」
今まで堰き止めて、我慢していたのだろうか。
赤ん坊のように、小さい子供のように声を上げて泣く堀田。
俺もつられて泣きそうになってしまうくらい堀田の今の気持ちが伝わって、抱きしめている腕をさらにぎゅっと強めた。
そしてふと思ってしまった。
…ここまで泣きじゃくる姿は、春日には見せるのだろうか。
「…ズッ」
どのくらい時間が経ったのだろう。
俺たちは場所を移動して小さな公園にあるベンチに腰をかけ2人で座っていた。
堀田はすっかり泣き止み、さっきからハンカチを使ってまだ残っている鼻水を啜っていた。
「………ごめんね。」
「謝ることじゃない。」
「こんな時間まで、迷惑かけちゃった…。」
「家近いんだし、気にするな。」
堀田は若干キレがないが、俺としてはいつもの会話のテンポ感でいた。
再び間のできる時間。
泣き止んだ後のため、少しボーッとする堀田をそばにこの空気には似つかわしくない夜空に光る満月を俺は眺めていた。
「両親がね」
小さな声で話し始める堀田。
「離婚するの。」