夜空を見上げて、君を想う。



『ねぇ!』




そんな時だった。

放課後の廊下でとぼとぼ歩いていたら堀田に声をかけらたのは。





少し遅めの放課後だったため、人はまばらで俺たちの周りには誰もいなかった。























『そんなんじゃ、みんな怖がっちゃうよ』






堀田の当時の印象は、





































なんだこいつ。













それもそうだろう。

急に話しかけられたと思ったら前髪をバッと無理矢理あげてきたんだ。









それと同時に







ずっと髪で隠れていた俺の世界に光が差した。





























『やっぱりね!けっこうイケメンじゃん!』










人は、何に救われるかわからないってよく言うけど本当にその通りだと思う。




堀田の突飛な行動は結果的に俺を変えた。




『メガネにしなよ。目もきっと悪くなってるよ。メガネだったら、レンズを通してるから意外と周りが気にならないかもよ!』




まるで俺の心を読んでいるようだった。



今はメガネからコンタクトレンズに変え、もう人の目を気にすることはほとんどなくなったが人を観察することは癖として残った。























誰にも話していないのに、誰も気がつかなかったのに、お前だけは俺を見つけてくれた。












『私は堀田千星!』




満面な笑顔で急に名乗ってくるからそれにつられて俺も自己紹介をしてしまった。






『……日向、月斗』


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